ガイドラインの位置づけ
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」は、同省の報道発表で「民間賃貸住宅の退去時における原状回復をめぐるトラブルの未然防止」のための一般的なルールと説明されています。オフィス・店舗の賃貸借はこの主な対象ではなく、原状回復の範囲は契約書の特約で決まるのが実務です。ガイドラインの本文(PDF)で事務所の扱いを確認したい場合は出典をご覧ください。
先に読む条項解約予告(通知の期限と方法)/ 原状回復の範囲(スケルトン戻しか、入居時の内装までか)/ 工事の指定業者(ビル指定か、テナントが選べるか)/ 工期と明け渡し日(原状回復の工事期間が賃料の発生期間に含まれるか)/ 敷金・保証金の返還時期と償却。
解約予告の期間
日本通運の公式ガイドは「6 か月前に通知しないと解約が成立しないケースが多い」、オカムラは「多くのオフィスでは 6 か月前までの通知が一般的」としたうえで、契約により異なると注記しています。公的な一次情報で標準の期間は定められていないため、当サイトでも期間を断定しません。現オフィスの契約書の解約条項に書かれた期間と通知方法(書面・内容証明など)が正本です。
原状回復の範囲と工事区分
- 範囲: 入居時に自社で施工した間仕切り・床・配線・サインの撤去、天井・壁の補修、ビルによっては照明・空調の原状復旧まで。契約書と入居時の図面・写真で確認します。
- 指定業者: 原状回復工事をビル指定の業者に限定する契約が多くあります。指定の場合は相見積が取れないため、見積の内訳(数量・単価)を項目ごとに確認します。
- 工期: 原状回復の工事は明け渡し日までに終える必要があり、その期間の賃料がかかるのが一般的です。引越の日程は原状回復の工期から逆算します。
公式に公表されている費用の目安
| 出典(公式) | 条件 | 表示額 |
|---|---|---|
| 日本通運(NX の移転サービス) | 東京 23 区・20〜50 坪程度の小型ビル(大型・タワービルは 4〜5 万円程度) | 約 3 万円/坪 |
| 内田洋行 | 一般的な物件(大型ビルは 10〜20 万円/坪程度) | 6〜8 万円/坪程度 |
| オカムラ(コラムの一般的な目安) | 小規模(中規模以上は 10〜20 万円/坪) | 3〜5 万円/坪 |
| プラス | 1 坪あたり | 3〜8 万円/坪程度 |
各社公式の記載どおり(確認日 2026年10月20日)。ビルの規模・仕様・指定業者の有無で大きく変わります。
進め方
- 契約書と入居時の記録を揃える原状回復の条項、特約、入居時の図面・写真、入居工事の仕様書。
- ビル管理会社に範囲を確認する指定業者の有無、工期の目安、立会いの方法。書面で残します。
- 見積を項目ごとに確認する撤去・補修・処分・諸経費を分けて確認し、契約の範囲外の項目があれば根拠を尋ねます。
- 引越と工期を合わせる搬出が終わらないと工事に入れません。明け渡し日から逆算して引越日を決めます(移転の流れ)。
原状回復を自社サービスに含めている会社は こちら(公式ページに明記のある会社だけを表示)。
公式資料・各社の公表情報を一般向けに整理したものです。個別の契約条件・手続きの要否は、賃貸借契約書と各提出先の窓口で確認してください。確認日: 2026-10-20。